自社の財務データを見るときや経理処理を検討するとき、「基準」を事前に決めておくと業務の効率化をはかることができて便利です。
金額基準
仕事をしていて判断に迷ったとき、判断の拠り所になるものの1つが
「金額基準」
です。
物品や資産を購入するかどうか迷った場合、
・ちょっと高価だからやめておこう
・安いから買っちゃえば
といった金額の大小で判断しているケースも多いはずです。
経理関係であれば、
・処理方法に迷ったとき
・勘定科目に迷ったとき
などに、
金額が小さいから「この処理でOK」と判断することもあるでしょう。
「重要性がないから」という、なんとなくそれらしい表現を使いつつ?
細かい検討はせずにスルーしてしまう、なんてことも多いかと。
なんでもかんでも「重要性がない」という基準で判断してもよいとは思いませんが、
ある程度、小さい金額であれば
・しっかりと時間をかけて
・じっくり検討して
・結果として、どちらでもよいという結論に至る
ということは避けてもよいのかなと思います。
余計な時間をかけても結果が同じなら、業務のスピード、効率の点でプラスにはなりませんので。
とはいえ、
いくらなら高額?
いくらなら少額?
という基準が人によってバラバラでは判断を間違えてしまう可能性があるので、
判断するための基準=金額基準が必要になるわけです。
異常値基準
また、日常業務での金額基準だけでなく、
会社の数字(財務諸表の数字など)が異常かどうかを判断する基準=異常値基準
というものも持っておくとよいと考えています。
たとえば
・売上に比べて、在庫が増えすぎているのでは?
・粗利率が下がってきているのでは?
・資金繰りが少し心配になってきた
など、何かおかしい!と感じることがあると思います。
そのような場合でも、
「異常値=このラインを越えたら要注意」という基準
をもっておくと、
「なんとなくおかしい」
という経営者の感覚的なものに頼らず、
社内の他の社員、経理部門の社員などでもチェックすることができるようになります。
基準のラインは経営者や自社で決めればOK
このような「金額基準」や「異常値基準」というのは、
経営者あるいは自社が決めればよいものだと考えています。
金額基準であれば、会社規模の大小によって、重要性の尺度が変わりますので。
大会社にとっては、財務諸表における100万円というのは「ちょっとした金額」
かもしれませんが、
中小会社にとっては、それなりの金額ですので、「少額だからとりあえず・・・」と言える金額ではないと思います。
ただ、中小会社でも5千円や1万円であれば「少額」につき、
・処理方法に迷っている時間がもったいない
・重要性がないからチャキチャキ処理方法を決めてしまおう
というのもアリかもしれません。
また、「異常値基準」についても、
「どんな項目について、異常値の有無を把握するか?」
「なにをもって異常とするか?」
という定義は、経営者、会社によってバラバラでしょう。
業種、業態、経営者の価値観によって、判断が分かれて然るべきだと思いますので。
このように「金額基準」にしろ「異常値基準」にしろ、
自社にとって必要と思われる「基準」を作ることで
・判断に迷う時間の削減など、業務の効率化
・異常値に気づけないままズルズルと時が流れてしまうチェック漏れの防止
に繋げることができると考えています。
なお実際に、「自社ではどんな基準を作るのがよいか」については、
経営者の方や会社なりにまずは考えてみて、
そのうえで税理士などと相談して決めるのがよいのではないでしょうか。